2014年05月06日

意思能力と未成年の法律行為について教えてください

法律行為とは、人の意思表示によりその意思に従って権利や義務に変化を及ぼす行為のことを指し、これには意思能力を要します。また遺産分割協議は、意思表示により財産移転の効果が発生する重要な法律行為であり、意思能力を要します。意思能力とは、自分の行為の結果を正しく認識し、これに基づいて正しく意思決定する精神能力のことであり、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者、つまり意思能力のない者については本人の代わりに法律行為をおこなう後見人の選任を申し立てることとなります。
未成年者だからというだけでただちに意思能力を有していないということにはなりませんが、未成年者の法律行為には法定代理人の同意が必要であり(民法5)、また未成年者の財産は親権者が管理する且つ、その財産に関する法律行為についてその子を代理する(民法824)ものとなっています。ただし、親権者とその子が利益相反関係になる際には、親権者が家庭裁判所に特別代理人の選任を請求する必要があります(民法826)。親権者が奥様である場合は、奥様と未成年のお子様は同じ相続人としての地位を有していることから利益相反関係にあるため、奥様をお子様の代理人として遺産分割協議をおこなうことは不可能です。よって、家庭裁判所に特別代理人の選任の申し立てをし、選任された特別代理人がお子様の代わりに遺産分割協議に参加し、遣産分割協議書に署名・捺印することとなります。特別代理人の選任には数ヶ月かかることもあるので、遺産分割協議が成立しないまま相続税の申告期限を迎えてしまうことも考えられますが、この際には未分割のままで相続税の申告をすることになります(相続税法55)。このとき、遺産分割を要件とする相続税法上の優遇規定の適用を受けられないです。
申告期限までに分割協議が成立していない場合には、相続税法上の優遇規定の適用を受けることが不可能ですが、申告期限から3年以内に分割協議が成立した場合等には、修正申告または更正の請求により優遇規定を受けることができます。ただし、期限内申告と修正申告・更正の請求と複数回の申告手続が必要となるため手間がかかるので、早めに特別代理人の選任の申し立てをしましょう。遺産分割を要件とする相続税法上の優遇規定には次のようなものがあります。
・配偶者の相続税額の軽減
・国等に対して相続財産を贈与した場合等の相続税の非課税
・小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
・非上場株式等についての相鋭税の納税猶予
・農地等についての相続税の納税猶予
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2014年03月07日

失踪宣告について教えてください

生死が不明の者がいる場合には、利害関係者(その者の推定相続人など)が家庭裁判所に失踪宣告を求める申立てをすることが可能です。申立てがあったときに、家庭裁判所は一定期間(普通失踪6ヶ月以上、特別失踪2ヶ月以上)官報等で公告して、本人または生存を知る者から届出がなかった際には失踪宣告をおこないます(民法30)。この手続により生死が不明の者は死亡したことが確定し、戸籍から抹消されます。
失踪宣告の対象となる行方不明者は、生死が7年間不明である場合で7年間の満了時に死亡したとみなされる普通失踪、そして戦争・船舶の沈没・天災ほか危難が及んだ後1年間生死が不明である場合で危難が去った時に死亡したとみなされる特別失踪に分けられます(民法31)。家庭裁判所から失踪宣告が出されると、死亡したとみなされる日に相続が開始するので相続税の申告を要します。この際に法定相続人は、失踪宣告が出された時ではなく死亡とみなされた時で判定することになるので、相続税の基礎控除・税額計算などについても失踪宣告により死亡とみなされた日時点の法定相続人の数及び法定相続分によって計算します。相続税の申告期限については、通常は死亡を知った日から10ヶ月以内ですが、失踪宣告がされた場合には失踪宣告がされたことを知った日から10ヶ月以内になります。
被相続人の相続人のうちに生死が不明の者がいたときには被相続人の遺産分割が不可能なため、その行方不明者の代理人として財産管理人選任の申立てを家庭裁判所におこなうか、その行方不明の相続人について失踪宣告の申立て手続きをすることが可能です。この場合に、失踪宣告により死亡とみなされた日が被相続人の死亡日以前であれば、被相続人の法定相続人から外れ、同様に被相続人の相続税の基礎控除・税額計算においても法定相続人の数から除かれます。失踪宣告の後に実は生存していたまたは死亡時が異なることが証明された場合には、本人または利害関係者が家庭裁判所に請求することにより失踪宣告が取消されます。この手続によって戸籍が元に戻るか、もしくは戸籍上の死亡日が修正されることになります(民法32)。既に受取っていた財産があった際には原則的に、失踪宣告によって受取っていた財産について財産の取得者はすべての権利を失います。しかし、実際には現に利益を受けている部分のみ返還すれば良いことになっており、受取っていた財産についておこなった契約なども、善意でおこなったとされるときには遡って契約が無効になることもないです。また、戸籍上の死亡日が修正になったときには相続人がかわることも考えられ、相続人でなくなった者は新たに相続人になった者に対して現に利益を受けている部分を返還することになります。
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2013年11月29日

保証債務の履行とはどういったものですか。

債務者の保証人となった人が、その保証債務を履行するために資産の譲渡を行ったときに、その債務を履行することにより得た求償権の行使ができないときには、その譲渡のうち一定金額において譲渡がなかったものとみなされます。また保証債務を履行するために、資産を譲渡し、その求償権の全部または一部を行使することができなくなったときには、下記のいずれかの金額のうち、一番小さい金額の譲渡がなかったものとみなされます。
 (1)求償権の行使不能額
 (2)求償権の行使が不可能になった際の、上場株式等にかかる配当所得の金額、直前における総所得金額、土地等にかかる事業所得等の金額、分離長期譲渡所得の金額、分離短期譲渡所得の金額、先物取引にかかる雑所得等の金額、株式等にかかる譲渡所得等の金額、退職所得金額および山林所得金額の合計額
 (3)求償権の行使不能額にかかる上記(2)にある金額の計算の基礎とされる譲渡所得の金額
保証債務の履行の特例は、当初主たる債務者に弁済の能力がないことを知りつつ連帯保証をした際には、適用がなされないため借り換えた際に、その弁済能力の判定の時期が当初なのか借り換えた時点なのかで迷うことになります。これに対してさいたま地裁平成16年4月14日判決は、債務者が違い、新しく抵当権を設定した際であっても、この特例を認容しました。よって、当初の契約時に求償権の行使ができると認識可能な際には、この特例の適用ができるということがわかりました。
posted by 事業承継のピンポイント at 11:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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